殺菌力が期待される過炭酸ナトリウムの有害性について調べよう①
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)が昨今の新型コロナウイルス感染症の流行により、慢性的なアルコール不足を抑制するため、過炭酸ナトリウムの殺菌力の調査に乗り出したそうです。
「NITEって何?」という方もいらっしゃるかも知れませんが、半民半官の組織で、化学物質管理やそのデータの収集と公開を行っています。あとは製品安全の研究も行っています。
たまにテレビのニュース番組で、揚げ物をした鍋を放置していたら火事になる試験映像みたいなのが流れる時がありますが、良く提供に「製品評価技術基盤機構」と書いてあります。そういう消費者製品使用の注意喚起もたくさんしている組織なので、見てみると結構ためになりますよ。
さて、そのNITEが過炭酸ナトリウムの殺菌力調査をすることになったと報道がありました。中々聞きなれない言葉ですよね。でも実は身近な化学物質なんです。
例えば、洗濯槽クリーナーやパイプクリーナーです。つまり洗浄剤、殺菌剤としてよく私たちも使っている化学物質になります。
ちなみに過炭酸ナトリウムという名称は正しくないんです。過炭酸とは炭酸に酸素がひとつ多くついている物質で、こういう見た目をしています。このナトリウム塩が正確な過炭酸ナトリウムです。まあ、どうでもいいことです。特に覚える必要もありません。
今回、NITEが評価する過炭酸ナトリウムと言われる化学物質は、炭酸ナトリウムと過酸化水素の付加物のことと思われます。なんだかややこしいですが、生ハムメロンみたいなもんです。生ハムとメロンが一緒になっているから「生ハムメロン」。「生ハム」と「メロン」に分解すればどんな食べ物か分かりますね。
炭酸ナトリウムと過酸化水素も分解して考えてみましょう。炭酸は皆さん良くご存知の炭酸水の炭酸です。炭酸水は炭酸が溶け込んだ水のことです。
炭酸はこういう見た目です。
このH(水素)がナトリウム(Na)になっているものが炭酸ナトリウムです。
炭酸ナトリウムは身近なところですと入浴剤に使用されています。特に花王の「バブ」やバスクリンの「きき湯」など、水に入れるとシュワシュワと発泡する製品がありますね?これは炭酸ナトリウムが他の酸と反応して、ガスである二酸化炭素を発生させるためです。この二段階反応は高校の化学で習いますね。興味ある人は記憶をほじくってみましょう。
では、もう一方の過酸化水素です。過酸化水素とは、水に酸素が一つ余分に結合している形をしています。
この化学物質は単体でも殺菌剤として使われています。オキシドールという消毒液の名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?保健室で擦り傷にかけると泡立つ、あの消毒液です。オキシドールは過酸化水素の水溶液であり、使用の際にすぐにガスである酸素を放出するため発砲するのです。
では次回は過炭酸ナトリウムの有害性について調べてみましょう。
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